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2010年12月29日 (水)

しあわせの雨傘

原題《 POTICHE》 2010年 フランス 103分
(2011年1月8日 日本公開)


監督・脚本:フランソワ・オゾン 
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ(シュザンヌ)、ジェラール・ドバルデュー(ババン)、
ファブリス・ルキーニ(ロベール)、ジェレミー・レニエ(ローラン)

Amagasa
『クスクス…ジワジワ…これぞオトナの映画!』 (ネタバレなし)

私の好き好き度 (◎´∀`)&`;:゙;`;・(゚ε゚ )ブッ!!

大女優カトリーヌ・ドヌーヴが真っ赤なジャージ…
もうこれだけで私のツボに入り冒頭から見入って
しまいましたが、結果、予想を超える話の展開に大満足!

やっぱりフレンチコメディはたまらない!
この作品にも多くの「不謹慎」が出てきますが、
決して不快に感じないのがまた魅力。

この作品の元となった戯曲自体、軽妙でシャレの効いた
ものですが、それを映画と言う舞台で
「人間“丸裸”賛歌」に仕上げたオゾン監督に感服!

観方としては、
「ピュジョルさんのご家庭が、大変なことになってる(笑)」
と、スクリーン越しに「覗き見」する感覚で。

ストーリーの枠組みはいたってシンプル。
時は1977年。
雨傘工場を経営する夫と結婚生活30年になるシュザンヌ。
(公式サイトでは「スザンヌ」ですが、字幕通りフランス読みで
以下“シュザンヌ”と表記)

経済的には不自由することなく暮らしてきたものの、
夫は「主婦は黙って家にいろ!俺の言うこと聞いていろ!」
というバリバリの父系社会派・男尊女卑。
そんな夫が心臓発作で急に倒れ、シュザンヌが代理社長となるのです。

しかし、この作品のすごいのは、ただの「マダム奮闘記」ではないところ。
シュザンヌがいろんな意味で「やり手」なんです。
でも、それはよくある「ヒロイン様のおかげで救われました」的な美談ありきの
「やり手」ではなく、「ちょwwwwwwww  マダムwww!」のびっくり展開付き!

いわゆる「登場人物たちの過去の秘話」がとても上手く話に絡んでいました。
泉のほとりでの告白内容なんて、私も思わず吹き出してしまいましたもん。
でも、それに対するババン(ジェラール・ドパルデュー)の台詞も最高。

「僕の心は2度血を流した」

傷ついた男の吐露が詩的に綴られた台詞でした。
どんな秘話かはお楽しみに。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

この作品、常に「ピュジョル一家」が映っていますが、家族関係の描き方もリアルです。
父と娘は闘争本能丸出し。母と息子は平和を好む。

親子といえども「あんな風になりたくない」「どうしてああなの?」など
自分には理解しにくい部分を見つけた時、なんともいえない感情に襲われますが、
この家族の感情も一筋縄ではいかないものがありました。

同時に、その感情の中には、当時のブルジョア層と共産主義の対立も絡んできます。
また、女性の社会進出がまだ乏しい時代なので、「女性の社会的地位」に関する
厳しい言葉もいろいろ。共産主義についてあまり詳しくない方は、ちょっとだけその
背景・思想をかじってから作品をご覧になると、登場人物たちの言動に奥行きがでます。

もちろんその微妙な感情の変化を手に取るように魅せてくれた俳優陣たちにも拍手!
正直、旦那のロベール(ファブリス・ルギーニ)も市長ババンも近づきたくないタイプの男性
ですが、キャラクターとしては面白い!息子ローラン(ジェレミー・レニエ)もその主張と
センスがたまらかったなぁ。あぁ、本当に面倒くさいほど、面白い男たちです(笑

また、母を責める娘ジョエル(ジュディット・ゴドレーシュ)の表情や言動も注目。
母に対して「娘」として吐き捨てている部分、「女」として噛みついている部分、
そして、「母としても女としても」尊敬の念に変化した部分。

女性ならなんとなく分かるでしょう。
「母の人生」と「私の人生」。
「ココが違うのよ」と言いながらも、一番身近なお手本は、やはり母親だったり…。
それが例え反面教師であったとしても。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

今回、邦題が「しあわせの雨傘」となっていますが、原題は「ポティシュ(Potiche)」。
ポティシュとは「実用性のない豪華な花瓶・壺」のこと。
要は『豪邸のブルジョア主婦シュザンヌ=飾り壺』なのです。
でも、その蔑視した言葉が、ラスト、素晴らしい意味に変化します。
しかし、さすがに邦題に「飾り壺」とは付けられまい(苦笑

きっとドヌーヴ主演の「シェルブールの雨傘」にひっかけて付けたのでしょう。
シェルブールは傘屋の娘だけど、今回は傘工場の奥さんですしね。
あと「傘」という漢字をよく見ると、「人」が中に。(実際は傘の骨の模造らしい)
シュザンヌが最後に手に入れた大仕事は、まさに「人に傘をさす」ものです。
さて、どんな偉業か、これもお楽しみに!

そして、今回の私の密かなMVPは美術・衣裳さん!
ピュジョル家の内装・家具から、登場人物たちの衣裳まで、華麗でかわいくて、
私の目も大喜び!フレンチスタイルが好きな方、大注目ですよ。
また、音楽も久々にサントラが欲しくなりました♪

ブラックな会話の嵐が好きな方に特にお勧め。
これぞ大人の人生賛歌。
2011年1月8日~全国順次公開だそうです。

「人生は美しい」

そう謳いあげられる人生でありたいものです、私もね。

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  • 試写会が当たり鼻血ブー!wずっと待ち続けた甲斐がありました(涙)

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